"BBA" by BBA

BBA
IMAGE ENTERTAINMENT 1973
01. Black Cat Moan
02. Lady
03. Oh To Love You
04. Superstition
05. Sweet Sweet Surrender
06. Why Should I Care
07. Lose Myself With You
08. Livin' Alone
09. I'm So Proud
(小生が持っているLP、EPICソニー25・3P-54の曲順に合わせました。)
personnel:
Carmine Appice : Drums
Jeff Beck : Guitar
Tim Bogert : Bass

昨日(H12.10.14)大阪でとも様キングスの練習が久々にありましてね〜。
いや〜やっぱりええバンドですな!手前味噌やけど…。
ともキンの『監督』=“テーマ名人”さんもえらく楽しんではりましたわ。
新曲がほぼ完成しまして、H12.12.02東京荻窪ライブカフェ『ROOSTER』でのライブで
ご披露できるかも。久しくライブでの選曲から外れていた曲も何曲かリニューアルし、
お聴かせできそうです。

昨日、メンバーの『リーダー』=“セブンスター”さんと話してましたら、
このHPの話題になりまして、新原稿を既に投稿済みのものが1本あることを聞きました。
そしたら「CDこの1枚」のコーナー用として取り上げたアルバムでの話題で、
“奇跡的なアルバム”というKey Wordが出てきました。
因みにセブンスターさんが取り上げたそのバンドは、小生も大々々好きなバンドです。
そのギタリスト兼プロデュースをした人が他のミュージシャンをプロデュースしたアルバム
なんかもいつか御紹介しましょう。

というわけで、“奇跡的なアルバム(バンド)”という主題で今回は、小生も1枚取り上げて
みようと思いまして筆を執ります。否、キーを打ちます。

“奇跡的なアルバム(バンド)”とは、1〜2枚しかその名義で発表しておらず、
消え去ってしまったバンド(ミュージシャン)のアルバムとします。
同じ名義でたくさん発表している中での奇跡的傑作や、「この1枚!」というものは、除きます。

さっそくですが、その1枚とは上記の、その名も『BBA』
今更説明の必要も無い(と言いながらも、世代がだいぶ変わってきてもいるので
簡単に書いておくと、ヤードバーズジェフベックグループ等で活躍し、
エリック・クラプトンジミー・ペイジと並び1960〜70年代にかけての3大ギタリスト
の一人といわれた)ギタリスト、ジェフ・ベックが1970年に結成しかけ、
当人の自動車事故で頓挫した後、再度、『ヴァニラ・ファッジ』から『カクタス』に鞍替えし、
それが解散したばかりのカーマイン・アピス(ドラム)とティム・ボガード(ベース)とで
1973年にようやく発表したのがこのアルバムです。
『BBA』名義では、スタジオ録音が1枚とLive(in Japan)盤が1枚の2枚しか発表されませんでした。
従って曲も殆ど同じことから、実質1枚しかアルバムを発表していないバンドです。
ハードロックの範疇でありながら、ティム・ボガードのベースの音色は、『スタッフ』
有名なゴードン・エドワーズを彷彿させるような“モコモコ”ベース。
ドラムのカーマイン・アピスは手数の多いドラマーで、たとえるなら
ジミ・ヘンドリックス&エクスペアリエンスのドラマー、ミッチ・ミッチェルかな?

面白いのは、殆どの曲のリードヴォーカルは、ギタリストのジェフ・ベックではなく
ドラムのカーマイン・アピスや、ベースのティム・ボガードであること。
スタジオ盤である本アルバムは、ギターはオーバーダビングも繰り返しているようで、
トリオバンドでありながらも非常に音も分厚く、ギターなんかは要所要所で多くの小細工を
見せています。この手のバンドとやはり大きく違和感を感じざるを得ないのが、
ベースとドラムのプレイでしょう。この辺りが、小生がただのロックバンドとは一線を画し、
奇跡的だと思うところだと思います。スティービー・ワンダーの提供曲“Superstition”を
演っていることからも彷彿させるように、モータウン系、ファンク系を匂わせるリズム隊と
ハードロックの王様的ギタリストとのコラボレートであるところが面白いのでしょう。
“Lady”や“Black Cat Moan”もファンキー且つドライブ感のある曲です。
ところが一方で、“I'm So Proud”や“Sweet Sweet Surrender”は、とてもメロディアスな
スローナンバーで、特に“Sweet Sweet Surrender”は、ともキンのジャムでも時々小生が
歌って演ったりなんかしています。

突然変異的なバンド、一発屋のミュージシャンで奇跡的に傑作を発表されることが時々ありますが、
この『BBA』は、そんなアルバム(バンド)の1枚です。
音楽がお好きな方には、是非お薦めしまっせ!

2000.10.15 text by 紅翼


とも様キングスのホームページに戻る