“ATCHA”
by Chris Jagger

ATCHA
PCD-1899 1993 Blues Interactions(日本盤)
@Blow The Zydeco HCheatin' On Your Darlin
AAllons Joujette IToad In The Hole
BGreen Thumb JRockin' All Night
CWill Ya, Won't Ya? KCream Of The Crop (※bonus for Japan)
DStand Up For The Foot LSteal The Time
EWhispering Wind MWhat Should I Care?
FCupboard Love NLhasa Town
GSnow On The Mountain

all songs written by Chris JAGGER
 except:@Jw/Robbie McKidd, ACw/Charlie HART, ADKw/Ed DEANE

最近、このページの記事が懲りすぎで、
書く方もけっこう大変やったりしてたんで、
少し反省しまして、ただ単に「このアルバム、ええでぇ〜」ってな記事を書きます。

今回の主役は、クリス・ジャガー。ご存知、転石ミック・ジャガーの弟です。
偉大なるアニキやオヤジの七光りで、デビューしちゃうヤカラは数多いますが、
クリスのデビューのきっかけが、
「ミック・ジャガーそっくりさんコンテストで優勝」、というのが笑います(1973年)。
で、だいたい七光りミュージシャンっていうのは、
アニキやオヤジの縮小コピー、というのが多いのに、
このクリスさん、アニキとはまるで芸風が違う。
今回紹介の“ATCHA”(=ヒンズー語で“GOOD”の意)では、
軽々とケイジャン/ザディコを演じています。
ケイジャン、ザディコは、米国ルイジアナ周辺のフランス系混血音楽ですが、
クリスは、こういった世界各地の「ポップス」を、
アニキやアニキの転石仲間たちに色々紹介してたようです。
ストーンズも、なんかモロッコ風とかインド風とか、そんなんやってるもんな。
そっち方面のブレーンやったみたいですね。

さて、このアルバムですが、
演奏者はシブめの英国パブ・ロック人脈のようですが、ワタシあんまり知りません。
ただ、ゲストにデイヴ・ステュワート(元ユーリズミックス;guitar)Nや
デイヴィッド・ギルモア(ピンク・フロイド;guitar)L、
コーラスにレオ・セイヤーEHL(英国懐かし歌手)や、
転石アニキ・ミックCDも参加してまして、華やかさを演出してます。
曲調は、ケイジャン/ザディコや古めかしい4ビート・カントリー、
軽快なニュー・オーリンズ風など、米国南部音楽がほとんどですが、
GNの実直なフォーク・ロックがアクセントをつけてます。
その一方で、英国トラッドの薫りも、高いんですよねぇ〜。
演奏は穏やかで、英国の腕利きたちがリラックスして、
好漢・クリスの好きな音楽を、みんなで演奏しようゼ、てな空気。
特に、緩ーーーいフィドルとスライド・ギターが、イイなぁ。
他にも、マンドリンやアコーディオン、スクウィーズ・ボックスもいい音出してる。
ただ、ありがちな「お友達演奏」と違うところは、
クリスの確固たる音楽観による芯の強さでしょうね。
理屈抜きに、好きな音楽を、仲間たちと演奏する・・・それ以上でもそれ以下でもない。
おーおー、ヨユウでんなぁ。

米国本場のケイジャン/ザディコも、もちろんヨイのですが、少々暑苦しい。
クィーン・アイダとか、バックウィート・ザディコとか、ネ(ルックス含)。
でも、このクリスの音楽は、絶妙な力の抜け具合が心地良いんです。
過剰な自己主張がない、っていうんかな。
クリスの唄も含め、凄まじいテクニシャンは何処にもいないんですが、
1曲目冒頭のフィドルから盛り上がって、中盤でホッコリ、終盤でウキウキし、
チベット問題に言及したNでしんみり終わる・・・。
何回聴いても、イイんですよねぇ。
ドライヴ・ミュージックにも、サイコォーーーーー!!!!!!

ワタシの持ってるのは日本盤ですが、ジャケ画像が手に入らなかったんで、
掲載したジャケは英国盤のもの(だと思う)。
“ROCK THE ZYDECO”っていう別タイトル・同内容のCDも出てます。
・・・ワタシ、クリスの新譜かと思って買って、聴いてから愕然とました。
このAtchaっていうのは、クリスのバンド名になったようで、新譜も出てるみたい。
また、買って聴いてみよっと。

2002.8.18 text by 佐藤


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