“Osmium”
by Parliament
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おもちゃ箱をひっくり返したような、という表現にぴったりな、パーラメントのデビューアルバムだ。
1曲目イントロから本メロに入ってからまるでステージ上を飛び跳ねんばかりに騒ぎ始まる曲の始まり。
客席が暗くなって一瞬の静寂の後、スポットライトがあらゆる角度からはじかれ照らされるのと同時に
エンターテインメントショーの始まり!
思わず家のステレオで聞いていても腰が浮いてしまうアルバムだ。
パーラメントが、そのサウンドを確立したとされる、「チョコレート・シティー」(1975年)や
「マザーシップ・コネクション」(1976年)とは、ほど遠いアマチュアのようなサウンドは、
その一曲々々が、てんでバラバラな様相を呈し続ける。
サイケロックがあれば、メローなヨーデル。合唱があったと思ったら、カントリーを小馬鹿にしたような2ビートサウンド。
ジョージ・クリントン(大統領みたいな名前)が率いるファンク集団は、まだ自らのファンクの夜明け前。
ファンクってのは何でもありってことだった。ブルースだとかロックだとかどうでもええやん。
おもろかったらええねんっ!という精神が悲しいくらいにひしひしと伝わってき楽しくって涙が出てくる。
ジャケットもアホやし、支離滅裂なアルバム構成だ。実におもろいライブバンドだったことだろう。
どんな音楽もおおむね時代を経ると、また色んな人たちがカバーをしたり、咀嚼していくと、洗練されていく。
このアルバム「オズミウム」は、まだ生まれたてのPファンクであり、カテゴライズされる前のPファンクである。
ごりごりである。
1.I call my baby pussycat、8.funky woman、11.red hot mama、12.breakdownは、
ファンクとは言い難いかもしれないが、そんなことはどうでも良い。
思わず首、腰、足が動き出してしまう、まさにダンス!ダンス!ダンス!!
この勢いをもっと楽しみたい方には、Funkadelic “live” が良い。
Pファンクとは、ジョージ・クリントンが率いる音楽集団の総称
(だと思う。もしくは今はバンド名化していると言った方が良いのかな?)。
そのメインのバンドが、パーラメントとファンカデリックの2バンドである。
こいつらはアホである。
2002.9.1 text by 紅翼