親愛なるヨーコマンへ 〜ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ〜
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」は、ライ・クーダーがキューバ人との
コラボレーションアルバムを作ったということで、最初に聴いたのがもう3年前。
当時の印象としては、あまり好評価として持っていない。
寧ろ、以前にも書いたことと思うが、今小生の一番のマイブームは、
エミール・クストリッツァ監督の映画「アンダーグラウンド」をきっかけにはまった
バルカン半島の音楽、それを探していくうちにたまたま入り込んだバスク地方の音楽が、今面白い。
遅ればせながら、ミュージックマガジンが2000年7月号で「ヨーロッパの野蛮」という題名で
特集を組んでいる。今、インテリ音楽リスナーの中では、東欧、バスク関係が流行の先端らしい。
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」の影響もあり、キューバものは、大分一般にも広まってきたようだ。
HMVやタワーレコードに行くと、ラテンと云うくくりでブラジルものも流行っているらしい。
小野リサも新譜出したしね。(買う気は無いけど。)
東欧・バスク関係でのお薦めは、
ケパ・フンケラ「トリッキー」
アライツ・エタ・マイデル「インシャラー」
エミール・クストリッツァ&ザ・ノースモーキング・オーケストラ「ウンザ・ウンザ・タイム」
サントラ盤「アンダー・グラウンド」
余裕があるなら、映画「アンダー・グラウンド」で音楽演奏を担当していた
ファンファーレ・チャカリーアというブラスバンドのCDも日本盤で2枚出ている。
よほどのファンか、勉強熱心でなければ、ちょっとしんどいCDかもしれないけどね。
先に紹介したCD4枚のうち、ケパ・フンケラとアライツ・エタ・マイデルは特に小生が
今年購入したCDの中では、上半期トップを争う。
”今年購入したもの”という条件を除けば、「アンダー・グラウンド」のサントラ盤が
曲の粒がそろっており、一般向けにも紹介でき、永く聴けるアルバムだと思う。
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」は、ライ・クーダーの流れで購入したが、この時期、
ライ・クーダーはコラボレートものを続発しており、小生はその中では、
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」よりも寧ろ、
ライ・クーダー&V.M.バッツ「ア・ミーティング・バイ・ザ・リバー」
キューバものでは、色々あるにはあるが、毛色の変わったところがやはり面白いので紹介しておくと、
ページョ・エル・アフロカーン「ファンキー・アフロカーン」
〜キューバのフェラ・クティ
ヴォーカル・サンプリング「ヴァケーション」
マーク・リボー「キューバとの絆」
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」関係は結構CD出てるけど、いまいち他のCDを買う勇気がない。
なんか中身が見えてくるんでね〜。
全然比較にならんけど、まじめに、ある一つのジャンルを突き詰めていくという意味では、
吾妻光良&スウィンギン・バッパーズの方が遙かに面白いと思うけど・・・
ああそうそう、ラテンというくくりでよければ、是非お薦めしておきたいのが、
トトー・ラ・モンポシーナ(コロンビア)「赤く燃えるろうそくの火」
エリス・レジーナ(ブラジル)「イン・ロンドン」。
この二人は、むちゃくちゃ歌が上手く、ファンキー且つ陽気!!金があったら絶対聴きたまえ!!
エリス・レジーナはもう故人だが、トトー・ラ・モンポシーナは健在。今年も新譜を出しているが、
スペイン盤でしか出ていないようなので入手困難のため、未だ聴けてない。今、一番欲しいCDなのである。
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」に限る話ではなく、キューバのソンミュージックや、
アルセニオ・ロドリゲスなんかは大変面白いと思うので、今後もこつこつ聴いていこうとは思っている。
因みに、「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」は、10月にビデオ化されるとの話も聞いているので、
今一番観たい映画なのではある。
2000.9.15 text by 紅翼