今回は、去る2001/2/24に心斎橋クラブ・クアトロで行なわれた
リチャード・トンプソンのライブ・レポートの競作となってます。


「世界一のギター弾き語り」

2月24日(土)、大阪クラブ・クアトロでの
リチャード・トンプソン大阪公演を見てきました。
リチャード・トンプソン(以下、RT)は、ワタシが最も好きな「楽器弾き」で、
ともキンが最も多くカヴァーしているソングライターでもあります。

当初は前回同様、盟友・ダニー・トンプソン(ba)との共演となるはずでしたが、
ドタキャンでソロ公演に。
チケットもあまり売れていないようなことを聞いていたので、
寂しいライヴになったらどうしょう、と心配していたのですが、
出足は遅かったものの、開演前にはほぼ満員になりました。やれやれ。
ここでガラガラやったら、この次の来日がなくなるからなぁ。

で、RTさん登場。あれっ?前回公演と衣装がおんなじちゃうか?
黒の半袖Tシャツに黒ズボン、黒い帽子(←これは、欠かせない!)。
生ギター一本で勝負のようです。
ワタシもこれまで、ギター一本弾き語り、
もしくは、それプラスもう一人といったライブを何回か見ましたが、
大体が、後半飽きてくるんですよね。
どんなに好きなミュージシャンが好きな曲を歌ってくれても、
どんなに美しいギターの音色であっても、90分はチトキツイ。

ところが、このRTさん、後半になればなるほど盛り上がる盛り上がる!!
やっぱ、ギターうまいわ、この人。信じれんくらい。
レギュラーチューンで弾くことはまずなくて、
6/5弦をD/AまたはC/Gに下げて、低音担当。
コードが変わると、左手親指まで動員して対応。
右手は、親・人指し指でフラットピックを持って低音でリズムを刻み、
ピックを持たない中〜小指で、自由自在にメロディを奏でる。
・・・とまあ、書いてみれば出来そうな弾き方ですし、
実際ウチに帰ってから演ってみましたが、出来まっかいな、コンナモン!
RTさん、練習したんやろなあ、ギター。
RTさんには、"SMALL TOWN ROMANCE"(1984)という
弾き語りライヴアルバムがありますが、
その頃よりも、ギターうまいやろなあ。

もちろん、「ギターうまい」だけでは客は盛り上がれへんのですよ。
RTさんの凄いところは、エンターティナーであること。
ロックン・ローラーであること。客を楽しませようとしてくれるのです。
ステージにギター並べて、客に一瞥もくれず、
MCもせずに弾きまくる米国の某ギタリストとは、違います。
自作曲も、いいしね。客に媚びずに、最低限のニーズには応えるという
バランス良い選曲にも唸りました。
ヴォーカルも、キャリアを重ねるごとに強くなり、味わいを増しています。
参った。ワタシ、ベタボメするしかありません。シビレました。
アンコールにも3回応えてくれました。あぁりぐぁとぉうぅーーーー!!!!

30年余りのキャリアに、鉄壁のテクニック、
サーヴィス精神に、表現欲・創作意欲、独創性。
ごっついええもん見ましたわ。もう50歳!?
でも、これがRTさんの魅力の全てではないのですよね。
ストラト持たしても個性では世界一ちゃうかな。
ダブルストップでチョーキングしながら、トレモロアーム使うらしいし、
早弾きしてる右手にトレモロアームがかかってて、
16分音符をベンドアップ/ダウンするらしいで。
また歌詞がええらしいんですわ。英国人にはたまらんツボを突くねんて。
MCでも、英国人らしき客が爆笑してたし。
ああ、何て人でしょう、RTさん。また来てね。できたらバンドで。

ワタシの隣では、ともキンのドイダーマンさんが呆然としてました。
ビックリしたよなぁー、ドイダさん!
そのあと、二人で十三のニンニクラーメン喰いに行きました。
アソコのチャーシュー、旨いねん・・・。

2001.3.10 text by 7★


Musician's Musicianという言葉があります。
ミュージシャンがファンになってしまう、玄人好みのミュージシャン。
ちなみに私はTOKIOのファンです。「君を想う時」っていい曲やなぁ。
でもTOKIOはMusician's Musicianではないやろな。

さて、2/24に心斎橋クラブクアトロに Richard Thompson を見に行ってきました。
7★さん(以下、ブンタさん)にLiveがあることを聞き、是非見たいと思い、
見に行きましたよ。

観客の年齢不詳係数&職業不明係数、異常に高し。
ステージにはスタンドマイクと小さなテーブルとミネラルウォーターのみ。
開演と同時にリチャードはアコギ一本で登場。
バックバンドなし。

すごい!
ギター一本であんなLiveができるんやねぇ〜と感動してしまいました。
コードストロークとかフォークのスリーフィンガーの曲が一つもなしでの90分。
かといってギターだけ弾きまくりのインストもなし。
あれはきっと、曲が一番にあって、それをアレンジして、必要なラインを
全部ギターで表現してるんやろうなぁ。
リフからできたんかな?という曲がなかったですし。
その超人的な演奏を、客は手拍子もせずに見入っていました。
手拍子いらないんだ、これが、リズムもあるんだから。
眉間にしわ寄せた小難しい演奏でもなく、曲間のMCもチャーミング。

しかし!
バンドでエレキ・ギターのリチャード・トンプソンを生で見たいなと思いました。
bs+ds+kbぐらいがサポートするだけで、楽になって、もっともっと弾きまくる
姿が見られると思うのに。
今のギター一本スタイルがお気に入りではないと思うのですが。

リチャード・トンプソンは良い意味でも悪い意味でも Musician's Musician だと思います。
まだ生きてるのに Tribute Album が作られたりしてるらしいし。
その手を抜かない良心的なステージは素晴らしい。
特に弦楽器奏者は目が釘付けになることを請合います。
なのに売れないんですよねぇ。
マーク・ノップラーよりポップやと思うのに。
クラプトンのアンプラグドよりええ曲やってるのに。
Musician's Musician ってミュージシャンにとっての誉め言葉じゃないですね、やっぱり。

ヒットチャートを駆け上るのでなくていいから、音楽として売れてほしいなぁ。
そしてツアーを組んでバンドを抱えてのLiveを見せて欲しいなぁ。
でも ポール・ギルバートみたいに Love Love All Stars には入って欲しくないなぁ。

2001.3.10 text by doi-da-man


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