「力と責任と可能性」

4月30日、TBSで「地雷ZERO」なるキャンペーン番組が放映されました。
世界中で数千万発の地雷が未だに埋められているとか、
どこそこの国で○○ちゃんという女の子が地雷の後遺症に苦しめられているとか、
故ダイアナ妃の活動ぶりとか、
どっかでいつか聞いたことあるようなお話で、
ひねくれ者の私はそれくらいで感動感激したりはしないんですが、
(菅野美穂は、とても可愛いが・・・)
番組のクライマックスに用意されていたのは、
坂本龍一による18分に及ぶ大曲"ZERO LANDMINE"の生演奏。
デイヴィッド・シルヴィアン、アート・リンジー、ブライアン・イーノはじめ、
各国の有名・無名のミュージシャンや、
ドイダさんが好きそうな日本の有名人が(SUGIZOもいたぞ)、
CDそのままに演奏するんです。
すでにCDを持っていて、何度か聴いていた曲だったのですが、
もう、迫力満点。見入ってしまいました。

CDで聴く限り、曲自体悪くないんですが、
別に驚くような仕掛けも新味もないんで、
繰り返し聴くようなもんでもありませんが、
ブラウン管を通してですが、
共通した明確な意志を持って演奏する幾人ものミュージシャンを見ると、
圧倒されますね。
ワタシのようなひねくれ者でも感じいるようなモンですから、
イタイケな少年少女は、大いに感動することでしょう。
CDも売れているようです。

海外では、この手のチャリティーもんは良くありますよね。
かの"WE ARE THE WORLD"から、古くは"バングラディシュ・コンサート"、
"FARM AID"、"NO NUKES"などなど。
この動きを、「ウサン臭い」「偽善的」と感じるか、
「良心的」「善行」と捉えるかは、議論のあるところですが、
社会的に影響力のある立場の人間は、
こういったことに関わっていく責任があると、ワタシは思います。
米国では、大統領選挙のキャンペーンでも演奏してはるし・・・。

今回の"ZERO LANDMINE"のように、日本の人気ミュージシャンが、
こんな明確で、社会的・政治的な問題を提起し、
こんな大がかりな発信・行動をとったことがありましたっけ?
(勿論、TVのヒモ付ですが・・・。)
「地雷の悲劇を無くすため」の「資金を得るため」に作ったCDを買って下さい・・・、
解りやすいし、どう考えても正しいメッセージ。
日本でも、こういうことが出来るミュージシャンが現れはじめたわけです。
ワタシは、断固支持です。坂本龍一、エライ。
照れずに参加したミュージシャンも、エライ。
音楽に、政治的な要素は、欠かせません。
音楽には、そういうことが出来るかも知れない可能性があるんですもんね。

でもね、ワタシ、「愛は地球を救う」は大嫌いです。
「天皇即位十周年行事」で演奏したヤツらは、「何じゃ」と思います。
"FREE TIBETAN CONCERT"にも、賛成しかねます。
・・・・こういう議論も、いつかちゃんと出来るようになるんでしょうね。
いつか、その「質」が問われるようになることでしょう。

"ZERO LANDMINE"について、詳しくはコチラまで。
ZERO LANDMINE http://www.tbs.co.jp/zero/

2001.5.14 text by 7★


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