「花の都でCD漁り」

この夏、観光旅行で6日ほどパリに滞在しまして、名所をあちこち観光したのですが、
もう一つの楽しみにしていたのがCD屋めぐりでした。
海外のどこへ行ってもCD屋やカセットの屋台なんかは必ず覗くのですが、
今回は何と言っても「ワールド・ミュージックの発信地」パリですから、
期待に胸を膨らませて、10枚くらいは買うつもりで出掛けたのです。

ワタシが最も欲しかったのは、ジャケ買い覚悟の東欧ロックと、
ラーハット・ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン(パキスタン)の英盤のソロ。
その他、ヨーロッパものトラッド系ロックを狙ってました。
日本で手に入りそうなもの、メッチャ高いものは買わない、とも決めていました。
衝動買いも恐いので、あらかじめネットやミュージック・マガジンなどで
リストアップもしておきました。

街を歩いていて、目に付くのはヴァージン・メガストール(Virgin Megastore)。
それと、日本ではあまりお馴染みでないフナック(Fnac)で、
その他のTowerやHMVといった大型店は見つけられませんでした。
滞在中も小さなCDショップや中古を扱うような店を見かけることもほとんどなく、
少々肩すかし。
あったとしても、大した店じゃなかったり。
そういや、楽器屋も見いひんかったなあ(楽器を買うつもりもあったのに)。
まあ、事前の取材も足りなかったのですが・・・。

最初に行ったのは、宿のあったラ・デファンスという郊外新都心のヴァージン。
大型ショッピング・コンプレックスの中にある大きなお店でした。
まず、何がどこに売ってるやら、皆目分からん。
5分ほどうろうろ戸惑ってると、
ハーン、仏語・英語と、ジャンル別に分かれてんねんなと分かってきまして、
とりあえずワールド・ミュージックのコーナーへ。
ここでも、何がどの国・地域なんだか・・・・・?????
10分ぐらいで大体理解できたところで、皿漁り開始!
予想通り、北アフリカ系(マグレブ)やブラック・アフリカ系が豊富で、
意外とサルサやズークなど、ラテンも多かった。
そういや、お土産屋のラジカセからも、レゲエと同じくらいラテンも流れてたな。
ところが、私の期待していたヨーロッパものは少々貧弱。
日本と同じくバルカン・ロマものは流行ってたみたいやけど、新味はなし。
それにしても、フランスのCDは高いっっっっ! これは予想以上でした。
少々落胆しながら、次の4枚をゲット。

"PLEINE LUNE" by Merzhin;仏・ブルターニュのロックらしい(下のジャケ)
"BOHEME DE CRISTAL" by Lo'Jo;仏の無国籍ロックらしい
"2" by Femmouzes T.;仏人とブラジル人の女性デュオ
"YELELE" by Monique Seka;コート・ジヴォアールの女性で、「アフロ・ズーク」らしい
           (表記はジャケのままです。仏語が読めないので、悪しからず。)
PLEINE LUNE

翌日も、シャンゼリゼ通りのヴァージンへ。
ここは、デカイ!! パリで1番のようです。
店も古い建築を利用してるらしく、それを見るだけで楽しい。
昨日の店より、質量ともにスケール・アップしています。
しかし、品物の傾向は昨日の店と同じ。で、5枚をゲット。

"REIN DANS LES POCHES" by BRATSCH;仏の老舗ロマ楽団。ポップらしい。
"HONOURABLE BRIGANDS, MAZIC HORSES & EVIL EYE" by Taraf De Haidouks
                      ;お馴染みのバルカン・バンドの94年盤。
"PEOPLE'S COLONY No.1" by Temple Of Sound & Rizwan-Muazzam Qawwali
      ;ワタシがヌスラットの後継者と信じるリズワンのワールド・フュージョン。
"BIRTH OF A STAR〜11 Giant Dakar Hits" by Youssou N'dour;地元盤からのコンピレ。
"BENDE" by Abdoulaya Diabate;マリの男性シンガー。

もう、カネもなくなってきたんで、CD屋には行かんとこ、と思ってたのですが、
最終日、レ・アル地区で大きなフナックを発見。
ん〜、行かずにはおれん!で、突撃。
店の感じや品揃えはやはりヴァージンとは違う。ヨーロッパものが、やや充実か?
2枚買いました。

"ATTISH :THE HIDDEN FIRE" by Rizwan-Muazzam Qawwali;うわっ、2枚も買うてもた!
"UNZA UNZA TIME" by Emir Kusturica & No Smoking Orchestra
                        ;丹羽ちゃん、やっと手に入ったで!!

以上、11枚のCDを買ってきました。
一番欲しかった東欧ものはほとんど成果なし。
所謂「民族音楽」はあるんやけど、ロック、ポップスはないねえ。
その他、アフリカものやマグレブものも多かったけど、
なんか、もうフォーマットに乗ったパターン化したようのものも多くて、
恐くて手が出なかったし、もう、ええかって感じ。
密かに狙ってたトルコものも今ひとつで、東アジアものは皆無。
あと、フランスで良心的なCDを作ってるレーベルがいくつかあるのですが、
そのレーベルもあまり見かけなかったので、がっかり。
「ワールド・ミュージックの発信地」は、「都市アフリカ音楽の発信地」と言うことかな。
東欧ものなんかは、フランスよりドイツの方が多いかも。
旧ユーゴやトルコからの移民も多いしね。
で、結論は、「CD屋は、質量ともに、東京の方がスゴイ」。

パリといえばもう一つ、メトロ(地下鉄)通路での路上ミュージシャンも有名ですが、
それはもう、ようけ居ましたよー。
メトロ以外でも、観光地や広場にもウジャウジャ。
でも、「もうっ、ちょっとギター貸してみっっ!」というヤツらもおったりして、
希に昔風のトレビアンなアコーディオン奏者に出くわす、という感じかな。
思わずチップを弾んだのは、
アラビックなインプロをウードのような音色で弾きまくっていたガットギター弾きと、
丁寧に作ったカラオケをMDで流しつつ、
鮮やかなボタンさばきを見せたアコーディオン弾きの2人だけ。
「パリのメトロからデビュー!」といったミュージシャンがおるようですが、
希なケースなんでしょうね。
メトロで、ミュージシャンより目立ってたのは、「物乞い」さんでした。
久し振りに見て、狼狽えました。トホホホホ・・・・・。

しかし、まあ、街を歩いてると、様々な肌の色、顔をした人々がおるので、
これは色々な音楽が聴かれるようになるのは必然ですわな。
CDについては、今回は思うような成果は上がりませんでしたが、
きっと、あるところにはある、と踏んでます。知ってる人、教えてね。
次回は、必ず!! って、また行くんかい!?
新宿のタワーレコードの方が確実ってか?

2001.8.18 text by 7★


とも様キングスのホームページに戻る