「2002年度 ベスト・アルバム ・・・7★」

さぁ、年中行事の感が出てきました、アルバム選び。
ワタシは、購入した2002年発表の作品の中から、
衝撃度、愛聴度を重視して、5枚を選びました。(順不同)

(a)RIKKI “蜜” (UNIVERSAL/VICTOR UMCK-1115)=ジャケット写真
(b)元ちとせ “ワダツミの木” (EPIC ESCL 2289)
(c)ジョージ・ハリスン “BRAINWASHED” (UMLAUT/TOSHIBA EMI TOCP-67074)
(d)サリフ・ケイタ “MOFFU” (UNIVERSAL/VICTOR UCCM-1035)
(e)ドロップキック・マーフィーズ “LIVE ON ST. PATRICK'S DAY” (HELLCAT 80437-2)

(a)は、毎度おなじみ、奄美のリッキですが、このフル・アルバムには参りました。
さすがメジャー、金と時間がかかった、見事なトータル・アルバムです。
昨年のシングル“素敵だね”での成功を、しっかり生かしていますね。
アルバム全体を通して、落ち着いた、霞がかかったようなムードが支配しています。
「水(液体)」「夜(星)」「空(宇宙)」など、大人の意味深キーワードが散りばめられ、
丹念に作りこまれた、実にしっとりとした感触です。
打ち込み中心の音作りですが、生楽器も丁寧に加えられ、ギクシャク感は皆無。
これまでのRIKKIにはない、女性的なアルバムです。新境地。聴き応え十分。
高名な写真家を起用したジャケットなど、アート・ワークも素晴らしい。
別掲ジャケットは、中ジャケです。金かかってるぅ〜!
2002年3作発表と、リリース・ラッシュも頼もしい。

(b)は、これまたおなじみ、大ブレイクしてしまいました、元ちとせの記念碑的出世作。
シングル週間&月間売り上げ1位ですよ、1位。
ちょっと売れすぎまして、歌手生命を短くしてしまわないか、
逆に将来の可能性を狭めてしまわないかと、心配です。
長ーーーく続けて欲しいもんです。
最近、コブシくるくる回しすぎる、「自分のものまね状態」になりつつあるのでは・・・?
後のフル・アルバム“ハイヌミカゼ”は、ちょっと一本調子かな?

以上、2作は昨年に続いての奄美歌姫の選出ですが、
奄美からもう一作、マリカミズキ“ソングフルーツ”も良かったですよ。
マリカミズキは、シマ唄期待の若手・中村瑞希が率いる女性デュオですが、
ギターやウクレレを加え、伸びやかな歌を聴かせます。
東京メジャー・レーベルからの誘いを蹴って奄美に留まり、マイ・ペースでの制作活動です。
細く、長くやって下さい!

(c)は、ジョージ・ハリスンの遺作ですが、そんなん関係なくとも良いアルバムです。
ジョージの残した音を、息子をはじめジョージを愛した人々が完成させたわけですが、
そんな「死」の影を匂わせるような、重々しい雰囲気など微塵も感じさせません。
いつものジョージ節で、吹っ切れたような爽快さと、クールな落ち着きを兼ね備えた作品。
大人ですねぇ。ドライヴにも合います。ポップです。ご機嫌です。

(d)もまた、大人の落ち着いたアルバム。
サリフ・ケイタといえば、メカニックで金属的なサウンドを作ってきましたが、
前々作あたりから角が取れはじめ、このアルバムではもうアコースティックですわ。
かといって、ゆるゆるとレイド・バックした演奏ではありません。
最近、アフリカではこの手の音作りは流行してますが、サリフらしい綿密なアレンジと緊張感は健在。
やはり、アフリカン・ポップのリーダーですね。

ヴェテランの中に割って入って(e)です。ボストンのアホアホ・ケルト・バンドのDKM
2002年の、最大の発見です。
このアルバムは、前作“SING LOUD, SING PROUD”とほとんど同じ始まりかたをする、
無駄なMCもまんま入った長尺ライヴ。
アホが炸裂しています。叫んでいます。野郎の物量ユニゾンが全編聴けます。
汗臭いです。酒臭いです。
といっても、演奏は意外と手堅く、練習はしてるなぁ。・・・って、当たり前じゃ、プロやもん。
このまま、突っ走って欲しいなぁ。

以下は次点。まずは、国内。
最近じわじわ売れてます、クレイジー・ケン・バンド“グラン・ツーリズモ”も、良かったですよ。
カッコいいとカッコ悪いの振れかたに磨きがかかりました。
大傑作“歌姫”の続編“ZERO-ALBUM〜歌姫2”中森明菜は、歌手としての凄みを感じます。
2002年はリリース・ラッシュでしたし、復活近し!?
不破大輔(ba)率いる物量ジャズ・バンド、渋さ知らズ“渋旗”は、
クレズマー〜バルカン臭を撒き散らした、ケレン身のない演奏で爽快。
アイヌの弦楽器・トンコリ奏者OKIは、昨年、安東ウメ子の素晴らしいアルバムを作りましたが、
ソロ作“NO ONE'S LAND”では、さらにポップで楽しい音楽を聴かせます。もう一息!
紅白出場を果たしたビギンも、“ビギンの島唄〜オモトタケオ2”で好調持続。
神田佳子(per)と野口千代光(vln)の現代音楽デュオ、C⇔Y Project“SALT & PEPPER”は、
ビックリ箱みたいでした。
上手い。面白い。かっこいい。クラッシックの音楽家が遊んだら、スゴイ事になるんやな・・・。

次に、国外。
ギニアのヴェテラン・バンド、ベンベヤ・ジャズ“BEMBEYA”は、
もう、とろけそうな、滋味あふれるゆったりした音楽を聴かせます。
新味はないけど、悠久の時間を感じさせます。いいねぇ〜。
アメリカを代表するバンドになったような感のあるウィルコの、
“YANKEE HOTEL FOXROT”も、ナカナカ良かったけど、絶賛するほどかなぁ・・・。
あ、いいんですよ。いいアルバムです。
でも、それやったら、ロス・ロボス“GOOD MORNING AZTLAN”も、いいでぇ。
ワタシは、こっちの方が好きかな。
最後に、ワタシの最も好きなミュージシャンであります、ジャクソン・ブラウンも新譜を出しました。
“THE NAKED RIDE HOME”ですが、6年前の前作よりは、良かったかな。
でも、やはり、峠は過ぎてしまいましたか、ね。
それでも、信じています。また、素晴らしい曲を書いてくれることを・・・!

2002年は、あんまりCDを買わなかったなぁ。やっぱり、忙しかったのかな?
ライヴも、あんまり見てないけど、エリック・カズの歴史的な演奏に立ち会えて幸せでした。
年末に亡くなったジョー・ストラマーのライヴに行けなくて、ホントに残念でした。
ともキン・ライヴは1回きりでしたが、フェスではたくさんの声援いただいて、嬉しかったです。
ライヴが少なかった代わりに、録音に着手できたので、ヨシとしよう。
個人的には、2002年は、1曲も新しい曲を仕上げられなかったので、
2003年には3曲を目標に作曲もするぞ!
ともキンは、CD発表と、ライヴ! 頑張りましょう!!

2003.1.11 text by 7★


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