2002年のベストアルバム

昨年(2002年)は、音楽を聞き込むほどの時間を確保できなかったので、
一昨年のようによく聞いたアルバム順にベストアルバムを並べることが出来なかった。
CDはたくさん買った年だったから、良いアルバムにもたくさん巡り会った。
そんな中から選ばざるを得なかったので、10枚は選んだものの、アルファベット順に並べた。

※ アーティスト名及びタイトルが、斜線太文字のものは、2002年発表及び発売のアルバム。
※ アーティスト名及びタイトルに下線しているものは、2002年発売だが、初CD化/録音発掘/再発もの。

1.アリソン・ブラウンAlison Brown “Replay”
ブルーグラス出身だが、その枠にとらわれずベラ・フレック、トニー・ファータドらとは
また違った路線を歩んでいるバンジョー奏者のジャズコンボ編成によるインストアルバム。

2.アンジェリーク・キジョーAngelique Kidjo “Black Ivory Soul”
ベナン共和国の女性歌手。欧米で活動しているらしく非常に洗練されたサウンド。
アフリカ音楽を意識せずに普通のソウル、ポップスとして通用する。
それにしてもそのサウンドの攻撃性は素晴らしい。

3.チャーリー・クリスチャン/ディジー・ガレスピー/セロニアス・モンク
Charlie Christian /Dizzy Gillespie /Thelonious Monk “after hours”
名前は知っていたけど、やっぱり聞かないとね〜。開眼!!
特にこのライブは熱い!
チャーリー・クリスチャンと同時代の双璧がジャンゴ・ラインハルト。
僕はチャーリー・クリスチャンの方が好きになったね。

4.(正確な読み方不詳)Djelimady Tounkara “Sigui”
カンディア・クャテの新譜(下記6.)の1曲目に度肝を抜かれ、そのギタリストがこの人。
カンテ・マンフィーラが好きな人はOK。

5.エリス・レジーナElis Regina “Elis (1980)”
僕の超好きな女性歌手。エリスのアルバムはいっぱい買ったけど、
やっぱり”in London”にかなうアルバムはないね〜。
上記のアルバムは、エリス最後の作品。はじけ具合が結構良い。
ブラジル音楽というよりは、ファンキーポップスに仕上がっている。

6.カンディア・クャテKandia Kouyate “Biriko”
予備知識無く、ジャケットの帯に「女性版ヌスラット・ファテ・アリハーン」と書いていたので即購入。
それはともかく良いアルバムですわ。アフリカンアコースティックをバックに朗々と歌い上げています。
サリフの新譜よりも多彩な楽曲群だと思う。

7.オーネット・コールマンOrnette Coleman “Free Jazz”
今更と言われるかもしれないが、聞いて良かったんだからしょうがない。
僕はジャズについて多く語るほど知識はない。けど良いもんは良い。

8.リチャード・マニュエルRichard Manuel “Whispering Pines”
大好きなバンド、「ザ・バンド」の鍵盤担当兼歌手のこれまた「幻の」ソロライブアルバムがCD化。
エレピ1台で自分の好きな歌ばっかり唱っているだけのアルバムなのだが、僕はこの声が好きなのかな〜?
ファン向けの1枚だろうね。
ザ・バンドの盟友リック・ダンコもちょこっと参加。

9.ユッスー・ンドゥールYoussou N'dour “Nothing's In Vain (coono Du Reer)”
ん〜〜〜・・・2002年のベストアルバムがやはりこれかな〜〜〜?
あざとさが無く、楽曲にも富んでおり、何せ歌声に余裕ありまくり。
これまでのユッスーのアルバムは結構しんどいところもあったけど、だんだん良くなってきたと思う。
アルバム”ザ・ガイド”、”ジョコ”ではポップス感が鼻についたので、僕はあまり好きではなく、
実際あまり聞いていない。
が、今回の作品は、”セット”の攻撃性にさらに円熟味を足したような最高のアルバムじゃなかろうか?
これは買い!です。
セブンスターさん、日本盤買ったら解説と歌詞をコピーしてね。

10.Various ”ジプシーのうたを求めて 沙漠に生きる漂泊の芸人たち”
現地録音ものなのだが、なんか喉の奥を掻きむしられるような生々しさとそのメロディーの豊かさ。
タンザニアの現地録音ものアルバムで僕の愛聴盤があるのだが、それを上回るだろう。
ジプシーとかインドだとかカテゴライズを意識せずに聞きましょう。絶対良いよ。
因みにこのアルバムはジプシーの起源を北インドに追いかけていったフィールドワークもの。
そうとは思えないポップ感、郷愁感を得られます。
2002年ベスト2位かな?

最後に、選考外のCDにどんなものがあったか・・・

年の前半は、ブルーグラス関連のCDを多く仕入れる機会があった。
一昨年ジョン・ハートフォードが逝去したことも理由なのだろうが、
RCA時代の「幻の」作品が一挙再発された。

以上が、計3枚のアルバムに収録された。

ジョン・ハートフォードの名作に「エアロ・プレイン」というアルバムがあるが、その録音当時の別テイク集が発売。

レオン・ラッセルが、ニューグラス・リヴァイヴァルを率いてツアーを行っていた頃のスタジオ録音が発掘!?
といってもレオン・ラッセルレーベルからの発売。これも購入した。まあファン心理みたいなものね・・・

ティム・オブライアンが最初に録音?オフィーリア・スイング・バンドが再発。

チーフタンズがナッシュビル録音第2弾。
っというほど取り立てて良いアルバムではないが、ブルーグラスリスナーとしては良いのかな?
でも僕は結構こんなの好きだったりするのだ。

ダニー・ハサウェイがプロデュースしたコールド・ブラッド “first taste of sin”。

吾妻光良&スウィンギン・バッパーズが待望の10年ぶり4作目を発表。

トトー・ラ・モンポシーナは僕の大好きな女性vo.の一人。コロンビア人。
2001年発表の”pacanto”をドイツ盤で購入。

その他トム・ウェイツが新作2枚とパルプノワールvol.1を発表。

サリフ・ケイタ”moffou”も良かったんだが、年押し迫る頃に日本盤発売を待ちきれずに
輸入盤で買ったユッスー・ンドゥールの新作がずっと良かったため選考から漏らさざるを得なかった。
ユッスーの方がよりグローバルな表現になっていると思う。

スウェーデントラッドのラーナリムも結構良かった。

エリス・レジーナの2匹目のドジョウを、ずっと探してて、ミルトン・ナシメントの再発ものに
期待を寄せて仕入れたものの、期待はずれ。がっくり。
僕にとってはブラジルものはめったに当たらない。

全体では、ロックもの、日本もの、アフリカものが多かった。

日本ものが多かったのは、中古屋で五木ひろし、キャンディーズ、宇多田ヒカル、フランク永井、
モンゴル800、エゴ・ラッピン等々を購入したため。

ロックものは結構買った割にはあまり当たりが無かった。
ランクインしたリチャード・マニュエルとジョージ・ハリスンの遺作くらいかな?

その点、アフリカ勢は躍進。

ベルギーのシンク・オブ・ワンの新譜も聞いたが、いまいち・・・。
これから聞き込んで、印象がどう変化するか?

今年(2003年)は、ソウル、ゴスペル、ジャズものから買い始めている。
これが、今年末までのランクにどう影響するか?

では、また来年。

2003.1.11 text by 紅翼


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