日本で唯一のブルーグラス専門誌“ムーンシャイナー”に、
ともキンのCD紹介文が特集で掲載されました。
・・・と言っても、サトウが書いたモンなんですけどね。
もう、発売されてだいぶ経つんで、ここに転載します。

ムーンシャイナー誌 2003年8月号
「とも様キングス CD『奮発!1800』発表!!」より


Bluuuuueeeeegraaaaass!とも様キングスです。
いつも、ご声援ありがとうございます。CD作っちゃいました。もう、お手元に届いてますか?
ワタシたちともキンは、関西学生ブルーグラス出身です(ドラムス・オクダを除く)。
かれこれ結成10年を越えまして、ひとつ記録を残しておこうか、ということでCD制作を始めました。

本格始動したのは、2002年5月。録音制作は、WMスタジオ@新大阪にお世話になることに。
このスタジオ、ただ今大ブレイク中「大西ユカリと新世界」の松本マンボ&小松竜吉両人が
紹介してくれたのです。このご両人、ともキン・メンバーとは学生時代からのお友達。
そうそう、ともキン録音と同時進行で、新世界のCD『五曲入り』も録音されてたようです。
ディレクターの白山さん、変なバンド2つの世話、お疲れさまでした・・・。

収録曲は、自作を中心にカヴァーも入れようと、9曲を選曲。
演奏以外にも、何ぞ面白いこともやろう、てなことも早い時点で決めてました。
ワタシら、ネタ、好きでねぇ・・・。
さて、どうにかこうにか日程を調整して、録音に入ります。
なんせ、メンバーの住んでる場所がバラバラで(当時は東京〜名古屋〜大阪)、集まるだけでも一苦労。
結局、半年後の11月から今年4月まで、録音3.5日、ミックスダウン&マスタリング2.5日の
強行ドタバタ日程となりました。
では、CD収録全13トラックを紹介しましょう!多少、自画自賛も入りますが、許してネ。

@[実車] E[賃走] J[奮発]
              作:とも様キングス
この3曲は、・・・そう、曲じゃあない。ネタです、ネタ。ドイダーマン宅にて、ウォークマン用小型マイクで録音しました。
効果音はワタシの高級車(??)のものです。うーーん、手作り。
@は、ブルーグラス・ファンをねらい打ち!Bには、昨年の宝塚夏フェスでの音も混じっています。
この3トラック、車で聴くときにはご注意を。

A ぼくらのともキン K ぼくらのとも様キングス
             作詞/作曲:ミナミ大助
ハイ、皆さんお馴染み、ともキン・テーマ曲ですよ〜。Aは短いの、Kは長いの。
リード・ヴォーカルの甘〜い声は、作者でもあるベースのミナミ。
曲作りの下敷きはもちろん、彼お得意のジャパニーズ歌謡曲でございます。
コテコテ・コーラスも、歌謡曲風でしょ?「とーもーさーまっ」て、ライヴの立ち位置どおりに聴こえますか?
ライヴでは、必ず演奏しますんで、みんなで一緒に「うぉんちゅ! ちゅなーい!」
そして最後に「やあぁ〜〜!」とやれば、楽しさ百倍!?

B 無 力        作詞/作曲:佐藤コウスケ
スカ〜レゲエのリズムに始まり、サビで8ビート・ロックに。で、またスカ〜レゲエに戻ります。
スカの「ンチャ・ンチャ」っていうリズムが、何ともおマヌケで愛らしい。
また、こんなリズムの変化がはっきりしてるの、ワタシ、好きなんですねぇ。
この曲は、初めっからリズムを決めて作りました。
曲の中で無理なくリズムに変化をつけるんは、意外と難しいですよね。
アレンジでは、ギター、マンドリン、バンジョーと、全然違うことをやってるのも、面白いかな。
歌詞では、情けないヘナチョコ男が主人公です。無力を思い知らされる瞬間、辛いですよねぇ。
ま、そんな日常を過ごしていますが・・・。

C 黒い太陽が      作詞/作曲:佐藤コウスケ
ケルト音楽が好きなんですが、民謡系は上品に過ぎて、若干物足りない。
下品な猥雑さが欲しいんやな。ロックしたい。そんなところを狙った曲です。
ドラムロールに導かれた、スコティッシュ風ファンファーレで始まります。
シターン(オクターヴ・マンドリン)は、歪ませてみました。バンジョーも、エフェクトがビンビンだ!
ホントは下品なバグパイプか何かを、暴力的に使いたかったところですね。
暗〜い曲調は、どっちかっていうとイングランド風?・・・って、ケルトとちゃうがな。
リズムは随分ファンキーです。こんな16ビートとバンジョーって、結構あうのよねぇ〜。
歌詞は、あたりきの環境問題について少し唄ってみました(少し、ネ)。
気がつけば、もう完全に手遅れ、なんてなことは簡単に想像できますね。
日々手遅れ、日々破滅に向かう。あー、怖。

D 瓦礫の街      作詞・作曲:佐藤コウスケ
深刻なテーマが続きます。ともキン、意外と社会派!?戦争で死ぬ人の歌ですね。
ワタシらにとって戦争は、テレビの向こう側の話にしか思えませんが、
今の政府では、いつテレビのこっち側になるかも知れません。
で、死ぬのは、テレビの向こうと同じで、ワタシらみたいな一般人なんでしょう。
そんなテレビ出演は、嫌やなぁ。
ユーゴスラヴィア紛争中の98年頃に作った曲ですが、まあ、この歌で唄われてるようなことが、
いつまでたっても地上のどっかで起こってるわけで。果てしなく続くんですね〜。
A『無力』と、通底したテーマでもあります。
曲作りでは、70年代風大仰ロックに、90年代オルタナ風味をまぶしてみました。
オクダのタム回しも、豪快にバッシバシ。
マンドリンを凶暴に掻き鳴らしたい、というワタシの隠しがたい衝動も、実現できて嬉し〜い!
シターンの歪んだ音も混ぜています。
間奏のバンジョーを引き立てるべく、過去のニュース音源をコラージュしてかぶせました。
こんなんライヴではでけへん。スタジオ・ワークでんなぁ。
ハイ、この曲で社会派コーナー、終わり。

F カネで買えないモノがある
    作曲:Leonard Gomulka/訳詞:佐藤コウスケ
収録曲中唯一のカヴァー。ともキン草創期からやってる曲です。
原曲は知りませんが、ワタシはブレイヴ・コンボ(以下BC)っていう、
テキサスの最高っ!なバンドから学びました。
BCは、ポルカとラテンを得意とするミョーなバンドですが、パンクなハートがとても愛おしいんです。
原曲は、ポーランドの古いポルカかな?知ってる人、教えて!
詞は、BCの英詞を直訳&意訳。作詞者は不明。知ってる人、教えて!
リズムは、ハードコア・ブルーグラスばりのゴリゴリ2ビートですが、ハートはパンク!
サビではちょっぴりクンビアも。
う〜ん、芸が細かい!?マンドリンとシターンを重ね録りしています。
ミックスで低音・高音を切って、ラジオ風の古くさ〜い音にしました。
オマケに、ほとんどモノラルです。あれ?と思った方、CDプレーヤーの故障と違いますよ。

G 団 欒
     作詞:堀畑裕之、奈良和代/作曲:丹羽信博
作曲者でもあるバンジョーのニワが唄います。
70年代サザン・ロック風にレイド・バックした曲で、演奏してても気持ちいい。
ライヴでも人気です。作詞は、ニワの学生時代の友人たち。
バンジョーが全編、柔らかく鳴っていて、優しい歌詞にピッタリ。
今回のレコーディングでは、エフェクトをかけることも考えて、全般にエレキ・バンジョーを使いましたが、
この曲はアコースティックです。暖かい音です。
シターンは、ボトルネックでスライドぎゅんぎゅん。
めざせ、デイヴィッド・リンドリー! 穏やかな食卓を、邪魔します。

H 古ぼけた街灯のように
            作詞/作曲:佐藤コウスケ
聴いてる人が恥ずかしくなるくらいのラヴ・ソングを、と考えて作った曲。
中途半端な歌詞じゃ、おもんないもんね。
どうです、恥ずかしいですか?「愛」とか「好き」とかいう言葉は使いませんでした。
恥ずかしいから、ネ。曲自体は、テーマから間奏まで、わりとスイスイ出来たなぁ。
テーマ部分は、マンドリンを重ね録りして、左右のチャンネルに振りました。
ほとんど同じことを弾いていますが、微妙に違うでしょ?
ドイダー・ギター・ソロ(=DGS)も、ブルーグラス風でステキ!
ドラムスも小技がいっぱい効いてます。この曲も、バンジョーは生です。

I sora-wo-koete
        作詞/作曲:猪口ドイダーマン謹一郎
待ってました、ドイダー・リード・ヴォーカル(=DLV)!!
ドイダーマンによると、作曲ではスピッツを、ヴォーカルではチョナン・カン(草g剛)を意識したそうです。
切ない、切ない歌詞ですねぇ。
この曲は、とても難産でして、アレンジや譜割など、あれこれ苦労しました。
バンドで演奏するまで、2年くらい寝かされてたよな、確か。
録音の時も、当初ハモをかぶせる予定だったのですが、どうもうまくいかず、
結局、ミナミさんがコーラス・パートを急遽作りまして、その場で練習、その場で録音。
最終的には四声のゴージャスな曲になりました。手間かかる子ほど、可愛い。
アレンジも、ポップスの要素満載です。

L アイアイアイアイアイ
            作詞/作曲:佐藤コウスケ
最後は、生バンジョーがキック・オフする軽快な曲。主題は「開放感」。
歌詞も、ムズムズするような、そんな言葉を散りばめてみました。
曲調は、アフロ〜カリビアン風。アフリカ音楽って、独特の開放感がいいですね。
この曲のコード進行は、ワンパターンの一方通行で、いわゆる“オープン”な曲です。
アフリカ音楽でよく使われる手法ですね。でもこの曲には、南国ムードがないなぁ。
バンジョーのフレーズは、アフリカのギタリストがよく弾くような、
軽やかで、かつ粘っこい分散和音を意識して作りました。
バンジョーのこんな使い方も、ありですね。ニワも、アフリカ音楽が好きですからね。
間奏の歪んだ音は、シターンですよ。ミナミのベース・ソロ、どうよ!

さて、本文中、何回「○○風」って出てきたでしょう??
ワタシらは、ブルーグラス以外の音楽もいっぱい聴いてきましたんで、
このCDにもそんなんが滲み出ておるわけですね。
でも、「○○」じゃなく、「○○風」で止まってるところが、ミソ。奥ゆかしいでしょ?
「ブルーグラス聴かせろ!」と仰る向きには、全く無用のCDですが、
バンジョーやマンドリンが入った楽しい音楽、として聴いてもらえれば嬉しいな。
お求めは、BOMはもちろん、全国のCDショップでも、注文して頂ければ入手可能です。
インディーズ、またはブルーグラス扱いです。詳しくは、以下のサイトで。
ご感想も、お待ちしています。
それでは、フェスで。ぶるぅ〜〜ぐらぁ〜〜す!

とも様キングスHP        http://tomokin.tripod.co.jp/

★☆★ ともキン情報 ☆★☆

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其ノ二 CD発売記念ライヴ!第2弾@東京
場所:ロッキー・トップ
 東京都中央区銀座7-8-19 東京ビル3F
 TEL.03-3571-1955
 日時:2003年9月14日(日)
  19:00 スタート(予定)
       ※時間等は、直接ご確認下さい。

2003.?.? text by 7★


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