【2003年のベストアルバム】

我が、とも様キングスのデビューアルバム「奮発!1800!」は対象外とする。
昨年(2003年)は、復刻もの、旧譜もので素晴らしいアルバムの数々に出会った。

※アーティスト名及びタイトルが、斜線太文字のものは、2003年発表及び発売のアルバム。
※アーティスト名及びタイトルに下線しているものは、2003年発売だが、初CD化/録音発掘/再発もの。

1. jimmy smith / root down
root down
有無を言わさず、2003年に購入したCDの中で、ダントツ1位!!
演奏、ジャケも最高!

1974年の録音。
オルガン(jimmy smith)、ギター、ベース、パーカッション、ドラム、という
オルガンコンボとしては、大編成。
音数もそうだが、演奏が無茶苦茶ホット!
こんなん間近で見たら卒倒すること間違いなし。
キャーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!
ウォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ァァァ!!!!!


2位以下は、甲乙つけ難し。
よってアーティストのABC順。

2. alice clark / alice clark
alice clark
"don't you care"という曲が聴きたくて買ったアルバム。
レア・グループ、アシッド・ジャズと言われる範疇らしい。
まあ言ってみれば、「元気で楽しいポップな(白っぽい)ダンスソウル」
ってな感じかな?
アリス・クラークのことはよく知らない。
聴いてよかったんだから良いんでねえ〜か?

3. alzo / alzo
alzo
フォーク!!
城田純二の"ソフトシューズ"を彷彿させる。
♪あっさの雨が降る〜

4. cornershop
/ handcream for a generation
handcream for a generation
名前は知っていたけど、手が出なかったバンド。
7★氏も言ってたけど、打ち込みものは、ついつい警戒してしまう。
でありながら、購入したきっかけは、モンタレージャズフェスの映像を
見て、「おっ!このバンドなんて名やろ?」とテロップを見たら、この
バンドだったって訳。
因みに、俺の大好きなバンド、フェアグラウンド・アトラクションも、この
ようなきっかけだった。

癖になる音楽。中期以降のスライ&ザ・ファミリーストーンの雰囲気。
速い曲は無い。ゆったりした感じでもない。変な速さ。
癖になる。

5. elis regina / como & porque
como & porque
俺にとっての女神。
2002年も年間ベストにランクイン。
でも、"in london"がやはり最高のアルバム。
"in london"とも何曲か重複している。

6. hanine y son cubano
/ arabo-cuban
arabo-cuban
なんちゅうか、程良い冷静さを保ったアルバム。
アラブの古典を、レバノン人の女性歌手ハニーン、キューバ人の楽団
で構成されたバンドで「やっちゃった」アルバムだそうで。
解説によると、プロデューサーのエレフテリアーデスって人の企画らしい。

7. marvin gaye & tammi terrell
/ the complete duets
the complete duets
タミー・テレルの声って、癖になるんよなあ。
ソロアルバムが相当入手しにくいようで、マービン・ゲイとのデュエットを購入。
3枚のオリジナルアルバム及びシングルカット曲、未発表曲が16曲も追加収
録で、2枚組CD。お買い得品。

まさしく、モータウン。
思わず腰フリフリ!

8. robert randolph & the family band
/ unclassified
unclassified
キャーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!
ウォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ァァァ!!!!!
第二弾!
ペダルスティールで、ここまでやるかっ!
ゴスペルにカテゴライズされているが、中身はハードロック、ファンキーソウル。

9. stevie wonder
/ songs in the key of life
songs in the key of life
名盤。
聴くべし。
何っ?聴いてない?
僕も、この歳になって初めて聴きました。
合掌・・・

10. yusa / yusa
yusa
キューバの新人歌手。
程良いフォークロック。
唄上手い。


【2003年のトピック】

行きつけのCD屋「K&K」が閉店してしまった。ショック。
町のCD屋さんって感じやってんけど、ロカビリー、ブルースが充実した品揃えで、
ワールドものも「ミュージック・マガジン」のピックアップものは、一揃い置いているという、
僕のような、マニアって程ではない音楽探究者には非常に利用価値の高い店舗だったのだが、
やはり世の流れは、大規模店か、ネット購入ってことなんやろな〜。
寄り道って言葉は、死語になるんちゃうやろか?
電車、バスを乗り継いで、CD買いに行くと、ついつい目的外のCDまで買ってもうたり、
途中の本屋で本買ったり、ってことが無くなってくる。
子どもたちは、通学、通園途中が危険がいっぱい、ってんで、送迎付きやったり集団登下校。
道草、寄り道、買い食い、って行為が、「文化」に昇格!

ところで、マラソンのロバ選手とか、千代の富士とかは、子どもの頃、
何十キロ(十何キロ?)も通学していたから足腰が強くなったとか、
家業(漁業?)の手伝いをしていたから筋力アップの素地が出来ていた、とかいう逸話を聞く。
オリンピックの精神は、アマチュアリズムだ、とかいう議論があった。
今は、プロフェッショナル、つまり職業としてスポーツをしている人たちが、
五輪出場するのは違和感の無い時代になってきたけど、オリンピックの第1回大会には、
本業は大工さん、とかいう人たちばかりが参加していたらしい。

プロアスリートが、世界規模で競い合うことは、人類の最高峰、限界に挑戦って言う意味で、
面白いし、批判するつもりはない。
でも、それは、サイボーグ同士の対決をエンターテイメントとしての観戦する、ということであって、
だからロス五輪辺りから、大金が動く大会となってきたんだろう。
相撲の力士なんかその典型であって、あれは「普通の」人間ではない。改造人間である。見せ物である。
高橋尚子、北島康介、室伏広治・・・はみんなサイボーグだ。
スポーツは面白い。でも最高峰をめざすものとスポーツを楽しむ者との乖離はどんどん広がる。
世の中が危険になるに従って、自然発生的なスーパーマンは少なくなるのではないだろうか?
いまの第一線の人たちは、スポーツに限らず、二世、三世の人たちが多いように思う。
子どもたちに夢を与えているようで、実は全くその逆なのではないだろうか?
スポーツは、大人たち(お金を払える人たち)が楽しむエンターテインメントとして、
どんどん発展しているような気がする。

その点、初めっから「作られたものですよ〜」っていう、
音楽や、お笑いや、映画や、絵画の方が、いかがわしい興業も含めて、
実は、はるかに健全なような気がする。まあ、こんなことを書くのも、俺自身が運動嫌いだからなのだが。

話が大分脱線してしまったが、好きこそものの上手なれっていうか、
固執=オタクという構造の中からも勿論、天才は現れるだろうが、
資本主義とは異なる構造を良しとするなら、道草、寄り道の中から生まれ出てくるものは、
突然変異的であって、そっちの方が本当の人類の発展につながるのではないかという漠たる思い。
ダーウィンや、メンデルが言ってきて、そして信じられてきた、優勢・強者が進歩・進化してきた、という議論。
最近は、そうではない、という議論がある。進化の源泉は、突然変異であるという議論である。
寄り道・道草は、突然変異、自由なる発想を産み出す土壌だったのでは無いだろうか?

99%の努力と1%のひらめきだと言った偉人がいる。
ジミー大西は、99%の遊びと1%のひらめきだと言った。
俺のような凡人では、どっちも間違っていないと思う。
努力ばっかりではダメで、ちょっとした遊びが努力の結果につながる、
と言い替えても良いし、遊びの中にこそ大事なものが転がっている、と言い換えても良いと思う。
なんか書き出したら止まらなくなってしまったが、何事も一所懸命は良いことだと思うが、
人生の中で、ブレーキの「遊び」のような部分は大事だと思う。なんか説教臭いな。

ベラ・フレックが二枚組新譜"little worlds"を発表。
2004年になってからやけど、ネリー・ファータド(グラミー受賞者)のバックにもゲスト参加して、
日経新聞なんかででも、まるでバンジョーがポップス界で市民権を得出したと言わんばかりの評価。
でも、やっぱり、ベラはベラでしたねえ〜。
それでも、こつこつ買ってしまう俺って・・・。

坂庭省悟が逝った。
ブルーグラスばっかり聴いていた時期には、当然聴いていたザ・ナターシャー・セブン。
坂庭省悟に特に思い入れが無いとはいえ、やっぱり少年の頃見た夕焼け雲みたいなもんで、
どこか心に引っかかっている、そしてこれからも引っかかっていくミュージシャンなのだろう。
自分の年齢が中年と言われる年齢に差し掛かってきた。
今まさに、世代の中心。生まれてくる者と出会い、去り逝く者たちが次々と現れてくる。
出会いだけではなく、永遠の別れが俺の脳の襞にこびりついて、擦ってもとれない煤となり、積もっていく。

ともキン、ファーストアルバム「奮発!1800」発表。

箱根フェス、2連覇。但し、マンドリン、ギター、ベースの3人編成。


【ランク外で、良かったアルバム】
soulive / turn it out
turn it out
現代のオルガンジャズ。ジャムバンドというくくられ方をされている。
トリオバンド=オルガン、ギター、ドラム。
ジョン・スコフィールドが2曲参加。

五輪真弓 / 冬ざれた街 ライブ盤。村上ポンタも叩いている。キャロル・キングを彷彿させる。
日本のロックも捨てたもんやない。

grant green / live at the lighthouse ファンキーギタリスト、グラント・グリーン。御機嫌ライブ。

joshua redman / elastic 今一番生きのいいサックス奏者だそうで。

柴田淳 / ため息
ため息
ちょっと恥ずかしいねんけど、ついつい聴いてしまう人。美人。
最初、ラジオかなんかで聴いたとき、カレン・カーペンターの再来?って思ってんけど、
それほどのことはない。
因みに、俺が子どもの頃、初めてチェッカーズを見たとき、ビートルズの再来?って思った。
だから、その程度の話。
遊佐未森とか、今井美樹とか、椎名恵とかと同じような、毒にも薬にもならない音楽。
強いて言うならば、俺好みの声。
恥を忍んで言わせてもらえば、「大人の初恋」の感じ。

ann sally / moon dance
moon dance
唄うまい。在日韓国人とのこと。日本語の歌も収録。
ヴォーカル・ジャズ。

wild bill davis
/ americans awinging in paris
americans awinging in paris
松本マンボ(大西ゆかりと新世界のオルガニスト)が一番好きなオルガニスト。
マンボが一番好きなアルバムは、未CD化。

norah jones / come away with me リッキー・リー・ジョーンズの方が好きねんけど・・・

thomas mapfumo
& the blacks unlimited
/ toi toi
toi toi
2002年暮れのユッスーは良かった。マプフーモも健在。
アメリカでの録音とのこと。

2004.2.7 text by 紅翼


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