【2004年のベストアルバム】

年々CDの買う量が減っている。昨年はしかも不作だった。

※ アーティスト名及びタイトルが、斜線太文字のものは、2004年発表及び発売のアルバム。
※ アーティスト名及びタイトルに下線しているものは、2004年発売だが、初CD化/録音発掘/再発もの。

1jalikunda cissokholindiane
2souad massiraoui
3オナニーマシーン / サンボマスター放課後の性春
4Toto-bona-lokuaToto-bona-lokua
5youssou n'doursant
6和田アキ子和田アキ子リサイタル 日劇に於ける実況録音
7Souad MassiDeb
8fela kutiwhy black man dey suffer
9ann sallyday dream
10joe henryscar

よく聞いた順に並べた。

jalikunda cissokhoは、一昨年の7★のランキングに入っていた。
古典でもなく、流行りに迎合するでもなく、柳の枝のような音楽。

souad massiは、中東フォークともいうのだろうか?どんな主張があるやしらんが、かなり格好いい。 アルジェリア出身。直近のアルバムdab(2003年作セカンドアルバム)よりraoui(2001年作ファーストアルバム)が内容 的にはお薦め。ジャケットは、dabの方が良い。 raouiの1曲目が始まったとき、「あら〜、サンディー・デニーかな?」って思ったけど、歌が始まったら感じは随分違う。 ハリス・アレクシーフが弾き語りしたような地中海風フォーク?って感じ。ハリス程、声は太くはないが、ジャケットの通り、 美人の歌声を堪能できる。メアリー・ブラックの声に似ている。 ところがどっこい、曲が進むに従って、ギター一本での単調な弾き語りばかりではなく、ギニア湾沿岸の西アフリカ風の 楽団調の曲もある。以外と楽曲に幅があり、面白い。ギター一本と言っても、oud(ウード/ブズーキやマンドリンの原型 と言われる中東の弦楽器)が常にsouadに寄り添っている。

サンボマスターは、インディーズを駆け抜けメジャー化したポップロック(パンクロック?)。 メロディーと声が良い。俺は好き! 現代の日本語ロックとして、メディアでは随分もてはやされているけど、僕は、そんなことよりも、バンドが産み出す 音のバランスと、声質・音質が好き!いわゆる3セットの編成。(ギター、ベース、ドラム) 技巧的には、ベース、ドラムは◎、ギターは△、歌は△、声は◎。 椎名林檎の1stアルバムは傑作だったが、2nd以降は聞く必要は無かった。サンボマスターは、どうなるの だろう・・・。椎名林檎も日本語ロックの革命的なもてはやされ方をされていたが、当時も僕は音楽的なアプローチ や歌い方、歌詞とメロディーのバランスで聞いていた。2nd以降の椎名林檎のアルバムに共感できなくなってきた のは、歌詞(=装い)があまりにも突出してきたからではないかと考えている。 サンボマスターに続いて日本ロックを探したが、なかなか良いのがない。 カップリングされているオナニーマシーンは、実はあまり聞いていないが、こんなアホ連中は、俺は好き。

朝聞くのには、Toto-bona-lokuaが良い。 ジェラルド・トト、リチャード・ボナ、ロクア・カンザのユニット。ヴォーカル、ギター、ベースを自らが演奏。 一流と呼ばれるミュージシャン達の共作。 南アフリカ風のコーラス主体の曲なんかも収録されており、以外とヴァライエティに富んでいるから飽きない。 こういうのが、懐の深さって言うか、奥深さって言うか、見習う所が多い。

ann sallyもいい。ちょっと五輪真弓風な感じが良い。エディ・リーダーの雰囲気も・・・ 演奏、音作りもジャズヴォーカルって感じで、ポップでありながら、大人の雰囲気。 前出の、Toto-bona-lokuaなんかと比べると、「歌の上手いお姐ちゃん」って感じやけど、演奏がしっかりしているから 十分聴ける。

joe henry"scar"には、オーネット・コールマンやマーク・リボーが参加。 大人のヴォーカルを聞かせてくれる。昨年は、男声ヴォーカルのjamie cullum"twenty something"も聞いたが、心に 残らない。Joe henryは、後味が悪くない。トム・ウェイツが好きな人にはお勧めかも。シンガーソングライターというこ とだが、ヴォーカルは印象薄。ジャズっぽく、メランコリックで、乾いた陰鬱という演奏。だからポップ。中途半端な感じが 拭えない。全体的に不作だった去年の購入CDの中では、俺の好みに合った方。

フェラ、ベラ、トムウェイツもそれぞれ、初CD化と新譜が出た。 フェラは、今年になって、未発表曲を含めて、「再」リイシューされている。 アフリカものでは、Tinariwen(マリのブルース?)、mafikizolo(クワイトというらしい。南アフリカのラップの一種)、 aaron bebe sukara&the local dimension palm wine band(ガーナのハイライフ)、Tlahoun Gessesse(エチオピアポップ) の他にも色々聞いたが、当たり外れが大きかった。 そんな中で、jalikunda cissokhoが光っていたのと、フェラ、フェミ親子の初CD化と新譜が際立った。 無論、souad massiは、昨年のヒット! youssou n'dour"sant"は、これまでのユッスーからするとかなり落ち着いた感じ。イスラム風な感じが全面を覆っている。 トム・ウェイツや椎名林檎のように考えに考えた末、と言った感じではなく、さらっと「こんな感じのやつ、やってみました」 っていうとこが、心憎いくらい格好いい。 使用楽器もアコースティックを中心に、軽やかにスマートに雄大に!! 俺って実はこんなんなんやけどって感じ。

渋さ知らズのファーストアルバム「渋さ道」、clifford thornton「freedom & unity」、the derec trucks band「joyful noise」 jimi hendrix「albert hall experience」、なんかが良かったな。 7★お薦めの、ロバート・ランドルフのライブも良かった。

五輪真弓"冬ざれた街"(調べた限りCD化されていない様子)が日本ロックのライブ盤として見ても、傑作であることは 以前書いたことがあると思うが、演奏者がしっかりクレジットされていない日本歌謡のライブ盤でも秀逸なものがある のではないか?見直しても良いではないか?・・・ってな難しいことを考えなくても和田アキ子リサイタルは、十分楽しめ るし、演奏もしっかりしている。デビュー間もない和田がどうこうというよりも、日本歌謡の過去の充実を感じるのに、ある 意味必聴盤である。曲目もヴァライエティに富んでおり飽きない。 きょうび、やたら収録時間の長いCDが多い中で、飽きさせない仕掛けや、収録時間の短さ、ってのは、これからのパッケージ 商品としてのCDやレコードにとって、重要な要素ではないかと思う。 山下達郎が言っていたが、ヒトが集中できる時間は、45分が限界だって。

鳥羽一郎の格安ベスト盤を買った。心にしみるね〜。

2004年のベストCDは、早くに決めていたのだが、文章を書くのに大変手間取った。 しかも、きちんと資料を取り揃えて書いたのではないので、誰が読むのかってな文章やし、今頃なんじゃ!という方もおら れるかもしれぬが、御容赦願いたい。

2005.6.15 text by 紅翼


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